国産ライトウェイトオープンカーに一石を投じるか?ダイハツがコペンのコンセプトモデルを発表
ダイハツが第1回「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で、コペンの次期型を示唆するコンセプトモデル「VISION COPEN(ビジョン コペン)」を発表しました。
※画像はダイハツ公式サイトより
現行コペンとビジョン コペンの大きな2つの変更点
デザインは従来のコペンを踏襲したものとなっていて、外観は大きな変更点がないように見えますが、現行のコペンとコンセプトモデルのビジョン コペンでは大きな変更点があります。
660ccから1300ccに排気量の拡大、軽自動車から普通乗用車へ
これまでのコペンは軽自動車規格で、排気量が660ccでしたが、ビジョン コペンは1300ccに排気量が拡大され、軽自動車から普通乗用車になっています。
それに伴い、ボディサイズも拡大され、現行のコペンは
- 全長 3,395mm
- 全幅 1,475mm
- 全高 1,280mm
- ホイールベース 2,230mm
だったのに対し、ビジョン コペンは
- 全長 3,835mm
- 全幅 1,695mm
- 全高 1,265mm
- ホイールベース 2,415mm
に拡大されています。
※全高が現行モデルよりも低いのは、コンセプトモデルのため車高を落としていることが考えられます。
FFからFRへ
これまでのコペンの駆動方式はFFで、FFはエンジンをコンパクトに収めることによる室内空間の拡大や燃費の向上を図ることができる反面、スポーツ走行が失われるデメリットがありました。
ビジョン コペンでは駆動方式がFFからFRに変更され、これによってよりスポーティな走りが楽しめる仕様になることが考えられます。
国産ライトウェイトオープンカーマツダロードスターの一強の強力なライバルか?
現在、国産ライトウェイトオープンカーといえば、マツダロードスターの一強状態です。
その背景としては、他の国産メーカーもオープンカーモデルを発売しましたが、オープンカーは採算性が悪く、根強いファンを得られなかったので、他のメーカーはライトウェイトオープンカーから撤退し、マツダロードスターだけが生き残ったからシェアを独占しているというマーケティング的な側面があります。
ライトウェイトオープンカーで発売中止になったモデルといえば
- トヨタ MR-S
- ホンダ CR-Xデルソル
- 日産 フィガロ
などが挙げられます。
他にも少し排気量を上げると
- ホンダ S2000
- 日産 シルビアコンバーチブル
などがあります。
これらのモデルが全て発売中止になり、残ったのがマツダロードスターだけになりました。
マツダロードスターが支持されて生き残れた3つの理由
マツダロードスターが支持されて生き残れた理由として、次の理由が考えられます。
- 手頃な価格(ライバル車も手頃な価格でしたが、必要条件として)
- デザイン性(NA・NBは今でもおしゃれなデザインだと筆者は思います)
- 駆動方式がFR(スポーティな走りも楽しめるのは、趣味性の高いオープンカーの付加価値が高まる)
当時のマツダ車は「マツダ地獄」と言われ、不人気なメーカーでマツダ車の下取りが安いことからこのように言われていましたが、そんなマツダでもロードスターは高い人気を誇っていました。
ロードスター以外では、RX-7くらいだったと思います(筆者の個人的な主観ですが、FD型のRX-7は史上最高の国産車の一つだと思っています)
現在ライトウェイトオープンカーはマツダロードスターの一択という状況
国産ライトウェイトオープンカーという条件だけでもマツダロードスターの一択しかなく、しかも駆動方式がFRなので、国産ライトウェイトオープンカーを買うならマツダロードスターしかありません。
そこで出てきたのが、今回のビジョン コペンです。
ビジョン コペンは、マツダロードスターの強力なライバルになる
現在ライトウェイトオープンカーはマツダロードスターの一強状態ですが、今回のビジョン コペンを比較すると、
- 同じライトウェイト
- 同じFR
で、マツダロードスターの優位性がなくなっていて、ビジョン コペンはマツダロードスターの強力なライバルになることが考えられます。
デザインのビジョン コペンか?走りのマツダロードスターか?
デザインはビジョン コペン
筆者の個人的な意見として、マツダロードスターは確固たる地位を築いてからデザイン性が落ちているように感じます。
マツダロードスターのNC型のデザインにはガッカリしましたし、現行のND型も好き嫌いはあると思いますが、かっこいいデザインではないと思います(他のマツダ車のデザインが良いからこそ余計残念)
それに対して、コペンは初代からデザインが良くて支持されてきたので、デザインではビジョン コペンに軍配が上がると思います。
ビジョン コペンの走りは未知数
走りの面では、マツダはRX-7を筆頭に古くから走りを研究していて、初代ロードスターを発売してから長いので、走りの面で信頼性があります。
一方、ダイハツは走りに特化してきたメーカーではないので、走りの面に関していえば未知数です。
デザインが良いのはビジョン コペン、走りの信頼性があるのはマツダロードスター
ライトウェイトオープンカーのニーズは
- 手頃価格で気軽
- 開放的な気分が味わえる
という要素が大きいと思われます。
だからこそ、それほど走りにこだわらず、FFのオープンカーが開発されたのだと考えられます。
むしろFRのライトウェイトオープンカーのマツダロードスターは、手頃な価格で気軽・開放的な気分が味わえるに加えて、さらにスポーティな走りも楽しめるという贅沢なコンセプトでした。
そこまで走りを求めない方にはデザインが良いので、今回のビジョン コペンが良いと思います。
ライトウェイトオープンカーに走りも求めている方は、マツダロードスターにしておけば失敗はないのではないかと筆者は感じました。
ビジョン コペンは、あくまでも現段階ではコンセプトモデルで、市販されたらどのようなものになるかわからないので、もしかすると走りまで備えたすごい車になるかもしれません。
いずれにせよ、ワクワクするコンセプトモデルが発表されたので、市販されるのか、そしてどのような車に仕上がるのか、楽しみに推移を見守りたいと思います。
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