ビッグモーター問題で中古車価格下落か？在庫大量処分で懸念されること
修理で入ってきた車を意図的に壊し、保険会社に修理費用を水増し請求していたことがわかり、大きな話題になったビッグモーター。
その後も修理代金にノルマを課していたことや店舗の前の街路樹を除草剤を撒いて枯らしていたことなど、次々と問題が発覚しました。
ビッグモーター問題が発覚して、これから起こることが予想されるのが中古車価格の下落です。
ビッグモーター問題でこれから中古車価格下落か？
利用者減による利益減少
これほどの問題が発覚したので、今後ビッグモーターを利用する人は大幅に減るでしょう。
そうすると、当然利益が減ってきます。
利益は減っても固定費はかかる
店舗を構えているので毎月固定費は掛かります。
ビッグモーターは業界最大手で全国に300店舗以上を構えているので、店舗の固定費だけでも膨大な額になります。
また、従業員は6,000人（2021年2月現在）いるので、今回の問題が発覚して退職する従業員はいるかと思いますが、それでも残った従業員の給与も毎月支払わなければなりません。
そうすると、赤字になり、現金を確保しなくてはいけなくなります。
現金を確保するために在庫を大量処分か？
そこで、在庫の中古車をオークションや業者販売で処分することが考えられます。
固定費を減らすために、店舗の閉鎖も考えられますが、店舗を閉鎖するにしても在庫の中古車を処分しなくてはいけなくなります。
ビッグモーターの中古車の在庫は少なくても約2万8千台
ビッグモーターが現在販売している中古車の数を調べてみたところ、27,989（2023年7月29日現在）台でした。
これは販売している中古車の数で、この他にまだ整備や美装が終わってなく、店頭に並べられないものもあるかと思いますので、ビッグモーターが在庫している中古車はそれ以上の数になると考えられます。
ビッグモーターが在庫を大量に処分すると、供給過多で中古車価格が下落する
ビッグモーターが在庫を大量に処分すると、中古車の需要は変わっていないのに、供給が増えることになるので、今後中古車価格が下落することが予想されます。
中古車価格の下落は、中古車を購入する人にとってはうれしいことですが、その反面、車を売る人にとっては査定額が安くなってしまうことに繋がってしまいます。
「中古車価格は高くなっているんじゃないの？」という疑問を持たれた方もいるかもしれませんが、去年は半導体不足で新車の納車が遅れ、中古車の価格が高騰していましたが、現在は半導体不足が解消してきて、中古車価格も落ち着いてきています。
ビッグモーターが販売している中古車が市場に流通することの懸念
ビッグモーターの事業は、大きく分けて次の5つです。
- 車の販売
- 車の買取
- 修理（板金含む）・車検
- 損害保険
- リース
これまで、修理部門の不正についての報道はありましたが、販売部門については報道されていません。
ビッグモーターが在庫している中古車を処分するとなると、販売部門で扱っている車が市場に流通することになり、「ビッグモーターで販売している中古車に問題はないのか？」という懸念が生じてきます。
中古車販売業界では不正が根深く残っている
中古車販売業界では、「良く見せかけてできるだけ高く売る」ということが昔からあり、昔中古車を探したことがある方なら「メーター改ざん」や「メーター戻し」の話しを聞いたことがあると思います。
これは走行距離を実際よりも少なくすることで程度が良いように見せることができるので、車を高く売れるからです。
中古車業界の方に話しを聞くと、今でもそういったことをする中古車販売会社はあるようで、書類上や分解をしない目視では良いように見えても、細かく調べたり、分解するとひどい状態だったということがあるそうで、このことについて取り上げているYouTuberの方もいらっしゃいます。
他にも安全に走行するために修理しておいた方がいい箇所があっても、修理をしなければコストが掛からないので、そのまま販売する会社もあります（コストカットできるので、その分安く購入できることもあります）
ビッグモーターが販売している中古車は、不正が発覚した修理部門が整備しているのでは？
これまで販売部門の不正の報道はないですが、ビッグモーターが中古車を販売する前に整備をしていたのは、不正が発覚した修理部門のはずで、きちんと整備されているのか不安が残ります。
その車が中古車市場で流通していくことになるのですから、単純に「中古車価格が下がる」という話しでは終わりません。
もちろんビッグモーターが販売している中古車で不正があるかはわかりませんし、もし不正があったとしても販売している全ての車で不正をすることは不可能です。
ただ、そういった懸念もあるので、これから中古車を購入する方は、ビッグモーターが在庫を処分したら、その車が中古車市場に出回っているということですから、改めて注意して選んだ方が良いかと思います。
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